by 山田達也 2022年1月6日 ≪Column vol. 14≫
2022年になりました。今年もよろしくお願いいたします。
昨年はオリンピック・パラリンピック、総裁選挙、衆議院選挙、さらには新たなオミクロン株の感染と様々な出来事がありました。
今年は北京での冬季オリンピック・パラリンピックが2月から始まります。夏には参議院選挙を控えています。その中で今年はコロナの感染がどのようになるのか、不安を抱えている方が大勢いらっしゃると思います。
私たちはマスクや手洗いなど基本的な感染対策にしっかり取り組んで、国がいろいろな対策を講じる事に対しては、3回目のワクチン接種、飲み薬など、医師を含め専門家の意見を参考に各自の判断で行っていく事しかないと思います。
歴史を振り返り出口を信じてポジティブに進んでいきましょう。
先日読売新聞に「境界確定の手続き緩和」に関する記事が掲載されていました。来年度秋頃からの実施を目指すとありました。隣接地の所有者がわからないといった理由で土地の処分や売買が進まないケースがあるためとの事です。
実際に業務で土地の売買や、分筆登記などに境界確認書が必要で、この境界確認書には隣接地所有者全員の署名押印が必要なため、物件によってはかなりの時間を費やした経験があります。さらには以前の境界確認書が存在しているのに、一定の年数が経過しているので改めて隣接地所有者の署名押印がないと分筆登記が行えないなど、いろいろなことがありました。
今回法務省は ①法務局に保管された高精度の地図で代用できれば、境界確認書を不要とする。②代用できる地図がなければ隣接地の共有者や相続人の一部の署名・押印だけでも可能とする。との記事でした。
ありがたい手続きの緩和です。ついでと言っては何ですが現在進められている「相続した土地の国庫帰属制度」について、土地所有権の放棄による国庫への帰属の手続きについても、申請の手続きや要件など大幅に緩和して頂き、実勢に即した内容で施行していただければ更にありがたいです。
今までも相続の放棄は可能でしたが、実務的には相続財産管理人など、手続きを進めていく中で当然費用が発生し、相続財産が市場で速やかに処分できなければ先に進まなかったのが実情です。これからは少子高齢化がさらに進み、親が住んでいた土地を活用できなくなり、今まで以上に空き家、空き地が増えてゆくと思います。国が手続きの緩和を積極的に進めてもらえれば、このような問題も少しずつ解決していけるのではないでしょうか。
相続で問題になるのは様々な要因がありますが、その中でも扱いにくいのは土地、建物です。土地については貸地もありますし、所有者が一人ではなく共有者が存在したり、いろいろなケースがあります。
現金や有価証券ならば簡単に分けることができますが、土地建物の場合にはそうはいきません。
さらに土地の相続登記の義務化が決まっています。この法案が来年施行されると一定の期限内に登記をしなければならなくなります。相続人が複数で遺産分割協議が完了しない場合は一時的な登記の処置はできますが、いずれにしても最終的には完了させなければなりません。今後は手続きの緩和による制度の活用や一方では登記の義務化などに対する事前の準備がとても大事になります。
弊社では新たにコンサルティングデスクを立ち上げます。相続の問題をはじめ不動産のあらゆる問題についてご相談頂けるように対応したいと思っています。難しい判断が求められる案件は、パートナーの弁護士、税理士、司法書士の先生方と一緒に問題解決を図っていきたいと思います。
私自身も皆様のご相談に対処できますよう、更に勉強して頑張りますのでどうぞよろしくお願いいたします。