◆思いがひしひしと

 

by 山田達也 2022年9月29日 ≪Column vol. 22≫

安部晋三元首相の国葬が執り行われました。

友人代表として菅義偉前首相が追悼の辞を述べられました。

口惜しさと寂しさと喪失感、長く政権を共にした盟友であったからこその思いがひしひしと感じられました。

安部元首相の功績、周りの人たちへの思いやり、安部さんならではのほほえみ、言葉の一つ一つにその時の思いが込められていました。

最後に「この歌くらい私自身の思いをよく詠んだ一首はありません」として

山形有朋が故人の伊藤博文を偲んで詠んだ歌を朗読しました。

「かたりあひて 尽しし人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」

私はテレビでの実況中継でしたが、聞き終えてとても感動しました。

すると会場でも拍手が響き一瞬驚きました。弔辞で拍手が起きるというのは自分自身の経験では初めてのことです。参列者の方々も感動のあまり自然と拍手が起きたのだと思います。

 国葬に対しては賛否両論があるのは仕方のないことです。そこは今後改めて議論して具体的な基準を定めることも非常に重要だと感じました。ただ葬儀会場の近くで同じ時間帯に集会を開き、デモ行進をするというのは感覚的に理解できません。時と場所を考えて行動するべきだと思いました。何事も感情的になっての議論は良い結果をもたらしません。それぞれの主張は大事だからこそ、お互いに冷静になって話し合うことが大切です。

相手の立場や気持ちも少しは斟酌して、発展的な議論をしてもらいたいです。

9月は連休といえば台風が訪れて、せっかく予定していた旅行がキャンセル。残念ですが安全第一なので仕方ないですね。

また各地で風雨による被害が発生しました。ある程度の予想はつくものの、実際には近づかないとその脅威は解りません。常にハザードマップを頭に入れて、自分の住まいのリスクを知っておかないと非難の判断も難しいと思います。

仕事の上ではいかに的確に物件の内容を伝えることができるか細かな調査が必要です。調査をしたうえで分かりやすく資料の説明をする事が大事です。物件の長所ばかり並べたてるのではなく、短所もきちっと伝えなければ物件の良し悪しの判断ができないと思います。特に崖地、斜面地などを伴う敷地は、きちっとした擁壁築造の必要性や、建物自体では一部を鉄筋コンクリート造にして、万が一の場合にも備えることの重要性など、その土地に関して安全を担保するための付帯工事の予算と共に理解していただくことを心掛けなければならないと思います。

横浜は山坂が多く横浜市の擁壁などに対する審査基準はかなり厳しいです。しかしこうした厳しい基準の中で、いかに工夫して安全な工作物を築造するかそこが施工業者の知識と経験がものをいうところです。災害に対して少しでもリスクを回避することができるような物件が、今後さらに望まれるのではないでしょうか。

 東京都は住宅への太陽光発電の義務化を提唱しています。一律の義務化は難しいかと思いますが、エネルギー問題の解決策としてはいろいろなことにチャレンジすることは良いことだと思います。少しでも早く温暖化対策が功を奏して、地球の気温が上昇しないようになる事をみんな望んでいます。

 自然の災害がこれ以上増えないように、みんなで一緒に知恵を出し合って解決策を考えましょう。

 あいかわらず都心では一極集中の状態で、タワーマンションの売れ行きは目を見張るものがあります。かなりの価格にもかかわらず外国人にも人気があります。ここのところの円安もあって海外の物件よりはお手頃感があるのでしょう。眺望はいいし設備も充実、交通の便もよい。それなりに人気があるのは当然かもしれません。ただ地震などの災害のことを考えるととても不安になります。

 もちろん二重,三重の備えはあるのでしょうが、ここまでの高さは何とかならないの、などと考えてしまいます。ホテルや商業ビルならまだしも、住居となるとそこで生活しているのですから、大きな災害があった時のリスクはかなり高いと思ってしまいます。

 地方への若者の移住、古民家の再利用、地方での生活に魅力を感じて積極的に取り組んでいる方たちが、少しずつ増えているのではないでしょうか。

 今は遠くにいてもリモートで仕事ができる時代、その地で根差した仕事に就くのも良いのですが、会社は変わらずに地方での仕事も職種によってはできます。若い方たちが地方の町に住んで、町自体が活性化されればより一層発展すると思います。みんなそれぞれ生活においての価値観があるでしょうから、一概にこれが良いということは言えませんが、いろいろな選択肢があるという事がとても大事だと思います。仕事の上でもそのことを踏まえていろいろと情報を提供できるように頑張ります。