◆「希望」を持って活動すること。

by 山田達也 2021年3月13日 ≪Column vol. 5≫

桜の開花が始まりお花見のシーズンになりました。今年も昨年に続き各自が注意して、宴会などせずに密を避けての行動が望まれるお花見です。みんなで工夫しながら、少しは春の雰囲気を味わいたいものです。

 緊急事態宣言も再度延長されました。発生率は低くなりましたが、まだまだ安心できる状況ではありません。たとえ緊急事態宣言が解除されたとしても、気を付けて行動しなければならないと思います。変異したコロナウイルスの事や様々な報道がなされています。この様な状態に私たちは立ち向かうことも必要ですが、気持ちの中では日常をなるべく今まで通りに過ごそうという、そんな切り替えもする必要があるかもしれません。スポーツや学校、仕事、制約は受けながらも動いています。

会食も時間的な制限、人数の配慮をしつつ、更には神奈川県の黒岩知事が提唱するように「マスク会食」など、感染防止策を取りながら行うことがあってもよいかと思います。「ステイホーム」で触れ合うことを減らせば安全なのは理解できますが、やはり人間、人との触れ合いが必要なのも解るような気がします。私も自制しつつ安全なお店で、少しはお酒を飲みたいと思ってます。ワクチンがみんなに行き渡れば、状況も変わるのでしょう。どれだけの効果があるかは実施されないと分かりませんが、期待してこれからも過ごして行きます。

 政府の「所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」で相続土地の登記義務化と、相続した土地の土地所有権の国庫への帰属に関して方向性が示されました。相続の場合今までは登記の義務はなかったのですがこの法案が施行されると一定の期限内に登記をしなければならなくなります。相続人が複数で遺産分割協議が完了しない場合は、一時的な登記の処置はできますが、いずれにしましても最終的には完了させなければなりません。施行されるのは公布から2年以内でまだ先の話ですが、今後は早い段階で相続発生時に混乱が生じないように、今まで以上に遺産分割協議がスムーズに運ぶよう事前の準備が必要になります。

不動産が複数あり共有名義だったり建物が老朽化していたり、貸地、借地など様々なことを整理しておく必要があります。所有している不動産に関しては、早い時期に整理をして遺産分割がしやすいように、また相続税が軽減あるいは問題なく支払えるように対策を講じることが大事です。

 今回のもう一つの「土地放棄を認める方針」については、相続した土地を国庫に帰属させることができるという法案です。今までも相続の放棄は可能でしたが、実務的には相続財産管理人など、手続きを進めていく中で当然費用が発生し、相続財産が市場で速やかに処分できなければ先に進まなかったのが実情です。

これからは少子化がさらに進み、親が住んでいた土地を活用できなくなり今まで以上に空き家、空き地が増えてゆくでしょう。このような土地を国庫に帰属させることにより、適正な管理や各自治体での活用、また再度隣接地や地域で整理をして市場に出せる物件は出してゆく。このような取り組みを今後継続して行くことが、非常に大事だと思います。今後土地の国庫への帰属に関して具体的な手続きの内容や、申請の方法等、詳細について示されると思います。住宅地などの土地は問題なく申請が行われるでしょうが、郊外の規模の大きな土地で青地や水路、さらに道路や河川などが複雑に絡んでくる物件に関しては、手続きが非常に複雑になるかと想定されます。この申請についての所管は法務省です。境界の確定など青地があれば財務局が、水路、道路は市町村などと多岐にわたります。とても個人では複雑な処理がおそらく難しいだろうと感じます。

今後可能であれば、これらの手続きをスムーズに行うために、この問題等に特化した第三セクターが構築され、各省庁間、市町村に亘る各種の手続きを進めてくれれば相続人個人での申請も簡易にできるのではないでしょうか。

 今、遠隔地でのリモートワークやワーケーションなど、いろいろと話題になっています。所有者不明土地や空き地にならず、土地の有効利用が図れるように希望を持って、様々なことに仕事を通して活動してゆきたいと思います。